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子連れでホテルに泊まるとき、意外と悩むのが「赤ちゃんをどこに寝かせるか」です。自宅ではベビーベッドを使っていても、客室にあるのは大人用のベッドだけ、ということもあります。消費者庁は、帰省などで普段と違う場所で過ごすときの就寝時の転落事故について、注意を呼びかけています。
この記事では、消費者庁の注意喚起「0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください!」(2020年11月13日公表)と、消費者庁の「みんなの消費安全ナビ」Vol.577「就寝時の転落事故に注意しましょう。」、こども家庭庁の「こどもの事故防止ハンドブック」の転落・転倒事故のページをもとに、客室で確かめたい4つのポイントを紹介します。後半の予約前の確認や荷物の準備は、この記事の提案です。
※子どもの体調やけがで心配なことがあるときは、医療機関や子ども医療電話相談(#8000)に相談してください。
大人用ベッドからの転落はなぜ注意?
報告されている事故
消費者庁の2020年11月の公表資料では、6歳以下の子どもが、主に就寝時などに大人用ベッドやベビーベッドから転落して負傷または窒息する事故報告が、医療機関から寄せられていると説明されています。平成27年1月から令和2年9月末までに912件の報告があり、そのうち大人用ベッドからの転落と見られるものは722件でした。大人用ベッドからの転落のうち、0歳児が433件、1歳児が122件で、合わせて77%を占めていた、とされています。
資料では、数十センチメートルの高さのベッドでさえも、転落すると頭蓋骨骨折や頭蓋内損傷のおそれがあること、ベッドと壁や物との間に頭が挟まれるなどして窒息するケースもあることが書かれています。
寄せられた事故の例
Vol.577では、医療機関から寄せられた事故の例として、高さ約70cmの大人用ベッドで保護者と年上のきょうだいの間に寝ていた7か月の子どもが、きょうだいを乗り越えてフローリングの床に転落し、頭頂骨骨折のため4日間入院した例が紹介されています。また、高さ約60cmの大人用ベッドでベッドガードを付けていたものの、1歳の子どもが乗り越えて転落し、横のTVボードの角に後頭部をぶつけたようで3針縫合した例も書かれています。それほど高い位置からの転落ではなくても頭に重いけがを負うことがあり、近くに置いてある物でけがをすることもある、とされています。
旅先では寝る場所がいつもと違う
「みんなの消費安全ナビ」Vol.577では、年末年始に帰省等で普段と違う場所で過ごす人に向けて、小さな子どもが寝る場所は用意していますか、と問いかけています。自宅ではベビーベッドを利用していても、移動先では用意が難しい場合もあること、敷布団の固さや掛布団の重さなど、寝具がいつもとは違うことも考えられる、とされています。転落や窒息の事故に注意して、子どもが寝る場所を整えましょう、と書かれています。
| 資料 | 書かれていること |
|---|---|
| 消費者庁(2020年11月) | 6歳以下のベッドからの転落事故報告912件、うち大人用ベッド722件 |
| 消費者庁 Vol.577 | 帰省先など、普段と違う場所で寝る場所を整える |
| こども家庭庁 ハンドブック | 2歳になるまでは、できるだけ大人用ベッドは使わない |
客室で確かめたい4つのポイント
1. 大人用ベッドに一人で寝かせない
消費者庁の資料では、「まだ動けないはず」などと思い込んで、大人用ベッドに一人で寝かせないようにしましょう、とされています。首がすわる、寝返りができる、ハイハイができる、つかまり立ちができるといった運動機能の発達状況に応じて注意するよう書かれています。
寝かしつけのために大人用ベッドを使って保護者が添い寝をする場合は、子どもを一人にせず、寝かしつけた後にできるだけ子どもをベビーベッドに移しましょう、とされています。保護者が寝返りをしたときなどに、子どもが大人用ベッドから転落したり、保護者の身体の一部で圧迫されたりすることがある、とも書かれています。
2. ベッドと壁の隙間をなくす
資料では、寝室で起きる窒息事故を防ぐために、ベッドと壁の間に隙間ができないよう、しっかりとくっつけて固定しましょう、とされています。子どもの頭や顔が挟まってしまう隙間があると、子どもが寝ている間に動き回って、転落して隙間に挟まり窒息するおそれがある、と説明されています。
3. 枕やクッションを周りに置かない
ベッドの周りに、枕、毛布、クッション等を置かないようにしましょう、とも書かれています。転落時の衝撃を和らげたり、隙間をなくしたりすることが目的であっても、子どもの鼻や口を覆ってしまう、という理由です。こども家庭庁のハンドブックでも、柔らかいクッションなどは窒息のおそれがあるため、転落防止のためであっても周りに置かないようにしましょう、とされています。
4. ベッドガードは対象月齢を確かめる
大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは、生後18か月未満の乳幼児には使用しないよう、消費者庁の資料で強く呼びかけられています。しっかりと固定しても、子どもが隙間に挟まるおそれがある、とされています。製品の購入前に子どもがその製品の対象月齢か確認し、購入後は使用前に取扱説明書や注意表示をよく確認しましょう、とも書かれています。
| ポイント | 公的資料に書かれていること |
|---|---|
| 一人で寝かせない | 寝かしつけた後は、できるだけベビーベッドに移す |
| 壁との隙間 | ベッドと壁をしっかりくっつけて固定する |
| 周りに物を置かない | 枕、毛布、クッション等を置かない |
| ベッドガード | 生後18か月未満には使用しない |
年齢の目安は資料ごとに確かめて
「0~1歳児」と「2歳になるまで」
消費者庁の注意喚起のページでは、転落事故防止のため、0~1歳児は大人用ベッドに寝かせるのではなく、できるだけベビーベッドに寝かせましょう、とされています。一方、同じ公表資料の「事故防止のためのポイント」では、満2歳になるまではできるだけベビーベッドに寝かせましょう、と書かれています。こども家庭庁のハンドブックでも、2歳になるまでは、できるだけ大人用ベッドは使わないようにしましょう、とされています。
資料によって表現が少しずつ違うので、子どもの年齢が境目に近い場合や、発達の様子で迷う場合は、かかりつけの小児科で相談してみてください。旅行前に相談しておくと、宿で慌てずにすみます。
おむつ替えの場所にも注意
こども家庭庁のハンドブックでは、ベビーベッドやソファ、施設にあるおむつ交換台などの高さのある場所でおむつ替えをするときは、事前に準備し、片付けやゴミ捨てはこどもを降ろした後にしましょう、とされています。備え付けのベルトを使用しても確実な転落防止にはならない、とも書かれています。客室のベッドの上でおむつを替えるときも、替えのおむつやおしりふきを先に手元にそろえておきましょう。
ソファにも寝かせない
こども家庭庁のハンドブックと消費者庁のVol.577では、ソファで寝かせないようにしましょう、とも書かれています。客室のソファは、昼寝やちょっとした休憩に使いたくなる場所ですが、子どもを寝かせる場所としては避けましょう。
予約前と到着後の準備
ここからは、公的資料の内容をもとにした、この記事の提案です。
予約前にベビーベッドの有無を宿に確認する
ベビーベッドの貸し出しがあるかどうか、台数に限りがあるかどうかは、宿によって異なります。予約の前に、宿の公式サイトの案内を見るか、電話やメールで直接問い合わせておきましょう。貸し出しがない場合は、和室や布団を敷ける部屋を選べるかどうかも、あわせて聞いておくと安心です。
借りたベビーベッドは柵と扉を確かめる
消費者庁の資料では、ベビーベッドは常に柵を上げて使用し、収納扉がロックされていることを確認しましょう、とされています。Vol.577では、帰省先などで古いベビーベッドを使う場合は、リコール対象製品でないことを確認し、取扱説明書や注意表示をよく読んで組立・点検してください、とも書かれています。宿で借りたベビーベッドも、使う前に柵と扉の状態を自分の目で確かめ、気になる点があれば宿のスタッフに相談しましょう。不安が残る場合は、無理に使わないことも大切です。
到着したら寝る場所から整える
客室に着いたら、荷物を広げる前に、子どもが寝る場所を決めてしまうのがおすすめです。ベッドと壁の間に隙間がないか、ベッドの周りに枕やクッションが置かれていないかを確かめ、必要なら余分な枕をクローゼットにしまっておきましょう。ベッドを動かしたい場合は、自分で無理に動かさず、宿に相談してください。
持ち物を見直す
宿のベビーベッドを借りられない場合に備えて、旅行用のベビーベッドや布団を持っていくかどうかも考えておきましょう。持っていく場合は、使う前に取扱説明書の対象月齢や組み立て方を確かめ、自宅で一度組み立ててみると、旅先で慌てずにすみます。車で行くか電車で行くかによって、持っていける荷物の大きさも変わるので、移動手段とあわせて決めましょう。
夜中の様子を見やすくする
夜中に子どもの様子を確かめやすいよう、足元の明かりや、親がすぐに手を伸ばせる位置関係を考えておきましょう。家族で寝る位置を決めておくと、寝かしつけの後にベビーベッドへ移す流れもスムーズになります。親がお風呂に入る時間など、子どもから目を離す時間帯に誰がそばにいるかも、家族で話しておきましょう。
| 時期 | この記事の提案 |
|---|---|
| 予約前 | ベビーベッドの貸し出しや和室の有無を宿に確認 |
| 出発前 | 年齢の目安で迷ったら小児科に相談 |
| 到着後 | 寝る場所を最初に整え、隙間と周りの物を確かめる |
| 夜 | 寝かしつけ後はベビーベッドへ移す |
子連れホテルの就寝のよくある質問
大人用ベッドで添い寝してもいい?
消費者庁の資料では、寝かしつけのため大人用ベッドを使い添い寝をする場合は、子どもを一人にせず、寝かしつけた後にできるだけ子どもをベビーベッドに移しましょう、とされています。
クッションで囲めば落ちない?
転落防止のためであっても、枕、毛布、クッション等をベッドの周りに置かないようにしましょう、とされています。
ベッドガードは何か月から?
消費者庁の資料では、生後18か月未満の乳幼児には使用しないよう強く呼びかけられています。購入前と使用前に、製品の対象月齢と注意表示を確かめてください。
けがをしたときの相談先は?
子ども医療電話相談事業(#8000)では、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けられる、と消費者庁のページで案内されています。
子連れホテルでは赤ちゃんの寝る場所から整えよう
消費者庁とこども家庭庁の資料では、乳幼児を大人用ベッドに一人で寝かせないこと、ベッドと壁の隙間をなくすこと、周りに枕やクッションを置かないこと、ベッドガードの対象月齢を守ることが挙げられています。予約前にベビーベッドの有無を宿に確認し、到着したら最初に寝る場所を整えてみてください。